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あきれ返るほどの不当判決である。
我々は、即大阪高裁に控訴する。
今回の裁判の争点の中心は「能率手当=賃金対象額-時間外手当A」に加えて時間帯手当Aを支払ったとしても、それで残業代を支払ったと言えるかどうかであった。
ところが大阪地裁判決は「時間外手当Aが現実に支払われているか否か」が争点であると争点をすり替えて、しかも甚だしい論理の飛躍を持って判決を下した。
我々は、時間外手当Aを算出するに当たっての計算において問題があるとか、時間外手当Aが別途の賃金項目として支払われていないとかを裁判で問題としたのではない。
あくまでも能率手当を算出するに当たって、時間外手当Aを差し引くことは、実態として残業代を支払ったことにはならず、労基法37条に違反するという主張である。
これに対し、「時間外手当Aと能率手当は、それぞれ独立の賃金項目として支給されており、・・・能率手当の具体的な算出方法として、『能率手当=賃金対象額-時間外手当A』という過程を経ているとしても・・・、現実に時間手当Aを支払っていると解するのが妥当である」という判決である。
なんという論理の飛躍と言葉での誤魔化しではないか。
本判決について、記者会見において司法担当記者の大半が「頭の中に入ってこない判決文」「何を言っているのか分からない」判決であると評している。
もっともである。
それは「現実に時間外手当Aを支払っていると解するのが妥当である」という結論になぜ至るのかという理由の説明が全くない。
しかも、「現実に」という言葉で誤魔化し、「実態として」という判断を避けた。
それゆえ労評弁護団及び労評は、大阪高裁で大阪地裁の判決を根底から十分ひっくり返すことができると考えている。
もう一つ、今回の判決において、通常の労働時間の賃金(所定内労働時間の賃金)をどのように決めるかは労使の自治にゆだれられるという点の問題である。
判決は言う。
「従業員の過半数が加入する労働組合との協議、調整を経て能率手当を導入・・」したのだから「割増賃金の支払いを免れる意図により導入されたものとは認められない」と。
このように司法(裁判所)が「過半数組合」と合意していること理由とするならなら「過半数組合」に問わなければならない。
残業をすればするほど損をする賃金体系をなぜ会社と合意したか。
集配労働者を中心に現賃金体系に対する不満がどれほど多いのかを分かっていないのか。
「多数派組合」の組合員の過半数が、能率手当という賃金項目に賛成しているとでも言うのか。
なぜ若い人達が、トールのような能率手当を導入する会社に定着せず、トラックドライバーの高齢化と人手不足が深刻化しているのか。
なぜアルバイトで集荷作業をしていた労働者が、正社員になると直ぐに辞めていくのか。
それは正社員になると賃金が下がるからではないか。その根本原因は、賃金対象額から残業代を差し引く能率手当にあるのでないか。
「過半数組合」というが、その組合は一体誰のための労働組合なのか。
「大阪地裁の裁判の結果がどうであれ、残業代を差し引く賃金規則は改めさせなければならない。」
これが労評交運労トール労組の方針である。
我々は、今回の春闘からこの交渉に本格化させる。
今回の春闘で会社に経営資料の提出を求めている。
これまで集配労働者等の低賃金の犠牲の上に成り立った経営ではないかという疑問は、現業のトール労働者に共通する疑問である。
そして集配労働者等の低賃金は、能率手当に根本原因がある。
トール労働者の皆さん、労評と共に残業代を支払わない賃金規則を変えていこう。