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分会長の不当解雇の裁判について、7月28日に下された組合側の主張を全面的に認める勝訴判決が出ましたが、会社側は敗訴を認めず、争いの場は高等裁判所へ移行となりました。
何度やろうと勝敗は明らか それを認められない会社側
組合側からは録音した音声と反訳書を証拠として提出し、分会長への解雇通知の際に社長や会社役員が「組合活動はやめなさい。そうでなければ、あと1か月で解雇する」、「組合を辞めるか、会社を辞めるか、どっちかの選択だっていってるんだよ」、「組合を辞めるか、会社を辞めるか、二つに一つ。っていうこと」、「何で組合辞めらんないの?」、「組合辞めて、あとで今日から働け」と発言したことを立証しています。
これは、裁判所からも事実と認められています。地裁の判決文では「本件解雇は,原告が組合に所属して組合活動を行っていることを理由としたものといわざるをえないところ,不当労働行為性を判断するまでもなく,客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当なものとは認められないから,解雇権の濫用として無効である。」と判断しています。
そうして言い逃れできない状況ですが、会社側は、分会長が労働組合に所属して組合活動を行ったことを理由にした解雇ではないんだと主張を続けています。しかし未だにそれを立証するための証拠はろくに提出しておらず、裁判を長期化させ、社内の労働者の不安をあおっています。裁判所も、会社が主張する解雇事由については、事実として認めるに足りる証拠はない、と判断しています。
労評は1人の労働者の解雇も許さない
労評は「1人の労働者の解雇も許さない」と掲げています。とくに今回の件は労働組合を作ったことを理由にした懲戒解雇ですから、労働組合としてそんな不当解雇は絶対に認めません。会社側は自らの失態も責任転換して分会長の解雇理由に上げており、こんな不条理に対して妥協はあり得ません。労評は道理を通して徹底的に争い、控訴でも受けて立ち、必ず勝訴します。そして分会長は職場復帰を果たし、職場改善に取り組んでいきます。
「アート引越センター」で知られる引越し業界大手のアートコーポレーション株式会社に対し、横浜都筑支店に務めていた元社員3名が、未払い残業代、給料から天引きされた引っ越し事故の賠償金、天引き同意のない組合費の返還を求めて横浜地裁に提訴しました。
今回原告となった元従業員の3人は、長時間労働が横行し、しかも残業代の誤魔化す、作業中に破損等の事故が発生すればすべて自己責任で給料から天引きされるなど、これらのことが普通の環境だと思って入社から懸命に働いてきました。
しかし、そんな労働環境では当然働き続けることはできず退職するに至りましたが、退職後にやはり職場に残った仲間のため、アートの改革に立ち上がりました。
この間、会社と3回団体交渉を重ねてきましたが、会社から誠実な回答が得られず今回の提訴に至りました。
昨日は、提訴後に記者会見も行い、各メディアで報道されました。
提訴の詳細や、昨日の様子などは、追って報告いたします。
労評では今回の提訴をきっかけにアート引越センターでの健全な労働環境を目指して取り組んでいきます。
賠償金の天引きはありませんか? 残業代は払われていますか? 勝手に組合費を天引きされていませんか?
過去の分も不当なものは取り戻せるかもしれません。些細なことでも大丈夫です。ぜひ一度ご相談ください。
これまでの裁判の経緯
北上京だんご本舗分会では、昨年2月22日の分会公然化の後、会社側が分会長の不当解雇等を行ったため、以下の2つの法廷闘争を闘ってきました。
①宮城県労働委員会での不当労働行為救済申立事件
分会長の不当解雇(不利益取扱い)や団体交渉拒否などについて、昨年4月13日に申立をしました。現在は結審して、命令が出るのを待つ状況にあります。
②仙台地裁での労働審判
分会長の不当解雇に対して、労評顧問弁護士の指宿弁護士、中井弁護士を代理人とし、昨年6月22日に労働審判を申立しました。
こちらは昨年11月に、分会長の懲戒解雇を無効とする組合側全面勝利で決着し、分会長は北上京だんご本舗において労働契約上の権利を有する地位にあることが確認されました。
このうちの②の労働審判の後、北上京だんご本舗の経営者側が異議申し立てを行ったため、これまで仙台地裁にて裁判で争ってきました。
組合側の完全勝利の判決が下る
そして本日7月28日、仙台地裁にて組合側の完全勝利の判決が下りました。
裁判所は、労働契約法16条「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,又は社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして無効になる」に照らし合わせて、
「被告は,原告に対して,本件解雇を通知するに際し,原告が労評に所属して組合活動を行っていることを問題にした上,原告に対し,本件解雇を回避する条件として,労評を脱退し,組合活動への参加を中止することを繰り返し要求したものであり,被告は,原告に対し,組合活動の中止及び労評からの脱退と本件解雇の二者択一を執拗に迫ったものであるから,本件解雇は,原告が組合に所属して組合活動を行っていることを理由としたものといわざるをえないところ,不当労働行為性を判断するまでもなく,客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当なものとは認められないから,解雇権の濫用として無効である。」
と判断しました。
分会長は職場復帰後に何を目指すか
勝訴判決の確定後、分会長は職場復帰して職場改善を目指していきます。
分会長は元々、自分個人の抱えている問題を個人的に解決するために労評分会を結成したわけではありません。
北上京だんご本舗は過去に全国推奨観光土産品審査会において厚生労働大臣賞を受賞し、「ずんだ」を仙台の名物として全国に広めたという功績があります。その一方で、会社内部には労働基準法違反等の問題が多々あります。分会長は、そんな職場で長年働いてきた中で、「これからの若い世代の方のために、会社を持続・発展させるために、労働者全員が協力して気持ちよく働ける環境にしていくため、このまま歳を取るわけにはいかない」、「会社商品は人気があり売れているのに社内に問題があるから会社が発展しないというのはもったいない、どうにかしたい」という思いから組合を立ち上げました。その思いの実現に向けて、分会長は職場復帰したら、労働者と力を合わせて、すぐさま本格的な職場改善に取り組んでいきます!
・会社の一方的な雇用条件の引き下げは違法です
2017年4月28日、奥羽木工所分会の有期契約の組合員に対する減給を争う裁判で、完全勝利の和解を勝ち取りました。
契約社員の組合員は、2015年3月の契約更新で、会社から日給を100円減額する契約書を提示され、署名をさせられました。
会社は減額の理由を、不景気だ、他の労働者との金額差を調整するためだなどと主張しましたが、130人を超える全従業員のうち、減給されたのは組合員を含む2名だけでした。このように、減給の実質は組合員に対する差別であり、労働者の給料を一方的に減らすという会社からの威圧的な見せしめでした 。
組合員は、その場で解雇の不安も考えて、一度は契約書にサインしました。しかし契約直後に組合と相談して、会社に本心からの合意ではないと主張し、撤回を要求しました。
一方で会社は、組合員はすでにサインをしたから契約は成立しているという姿勢を曲げませんでした。
われわれ労評は労働者の立場に立ち、徹底して会社に道理を通す労働組合として、金額の大小に関わらず、組合への差別も、労働者への不利益な変更も絶対に許しません。給料減額というあからさまな差別を黙認しては、組合員も労働者も守ることはできず、労働組合が存在する意義はないと言えます。
2016年2月に、労評顧問弁護士の指宿昭一弁護士、中井雅人弁護士を代理人に立て、会社を仙台地方裁判所へ提訴しました(奥羽木工所事件・仙台地裁平成28年(ワ)第486号)。
そして、1年間続いた裁判は、会社が組合の要求を全面的に受け入れる形で終結しました。その内容は、①減額した差額を支払う、②減額前の日給に戻す、③守秘義務(口外を禁止する条件)を付けないというものでした。
・雇用条件の引き下げを改めさせよう!
会社が労働条件を下げても、本人が「雇われている身だから」と諦めずに、きちんと道理を通そうと行動に移し、そこで労働組合と結びつくことで改善できます。一方的な給料減額、雇用条件の引き下げは違法です!労評と一緒に、会社に対して声を上げ、改めさせましょう!
~裁判に勝利した奥羽木工所分会の組合員から~
最初は会社が赤字だからと言われれば、協力しなければとサインしました。契約のときには、署名しなければ解雇されるかもしれない、という不安もありました。でも落ち着いて考え直して、やっぱりおかしいと思いました。それで、契約直後に分会長に相談して、工場長に撤回を求めました。ところが、私は日給を減額されたままだったのです。
その理由は、団体交渉で何回も会社に問うのですが、まったく納得できる回答が返ってきませんでした。私への給料減額は組合員であることへの嫌がらせや差別であり、これを放っておけば、他の人も同じ目に合うと思ったのです。私は会社がもっと良くなってくれればと組合に加入したのに、その会社が相も変わらず権力で封じ込めようとするやり方が許せなかった。みんなに対して筋の通らないことには、立ち向かって改めていかなければと思って、提訴に至りました。
一年かかりましたが、今回和解となり、全面的に私の言い分を会社が認めたので、嬉しく思います。これは労働組合や弁護士の力があっての勝利だと思います。皆さんも、給料減額を含め納得しないことがあれば、この通り行動を起こせば改善できるんです。決してあきらめないで、まずは労評に相談してください。
今は一つのハードルを越えたまでのことで、今度は職場の数多くある問題点や、労働者同士の間にある人間関係などの問題を改善していくことに努めようと思います。