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平成29年12月27日 命令書交付
1.事件の概要
本件は,組合が,ビラ配布,ブログの掲載等の組合活動を行ったことについて,会社が,組合員Aに対して組合活動をやめなければ解雇する旨の発言をしたこと,組合に対してビラ配布の中止を求める発言をしたこと,団体交渉の申入れ並びに団体交渉議事録及び合意書の作成に応じなかったこと,組合員Aを解雇したことが,労働組合法第7条第1号,第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして,救済申立てが行われた事件である。
2.命令主文の要旨
(1)会社は,組合から申入れがあった団体交渉に誠実に応じ,団体交渉に関する議事録及び合意書の作成に向けて誠実に対応しなければならない。
(2)会社は,解雇を示唆するなどの威嚇的な言動によって,組合が行うインターネット上への情報掲載等の正当な組合活動に支配介入してはならない。
(3)会社は,組合員Aに対する解雇がなかったものとして取り扱い,同人を原職に復帰させるとともに,同人に対して,解雇がなければ原職に復帰させるまでの間に得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。
(4)会社は,本命令書写し交付の日から7日以内に,不当労働行為と認定された行為を繰り返さない旨を記載した文書を組合に交付するとともに,同一内容の文書をA3の白紙に記載し,会社従業員の見やすい場所に7日間掲示しなければならない。
(5)組合のその余の申立てを棄却する。
3.判断の要旨
(1)営業会議及び団体交渉等における会社の発言について
会社が,組合員Aに対して,営業会議で行った発言は,解雇を示唆しつつ,正当な理由がなく,組合がインターネット上に掲載した情報の削除を一方的に強要したものであり,支配介入に該当する。また,会社が,組合に対して行った同旨の発言も,支配介入に該当する。
会社が,組合に対して,組合ビラの配布の中止を求めた発言は,団体交渉における率直な意見表明に過ぎず,組合ビラの配布の中止を強要したとまでは認められないこと等から,支配介入に該当するとまでは認められない。
(2)団体交渉議事録及び合意書の作成並びに団体交渉の申入れに応じなかったことについて
会社が,団体交渉議事録及び合意書の作成に応じなかったことは,会社の主張に正当な理由があるとは認められず,誠実に対応しようとする姿勢もうかがわれないことから,労働組合法第7条第2号に該当する。
団体交渉の申入れに対して,会社が応じなかったことは,正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。
(3)組合活動をやめなければ解雇する旨の発言について
会社が,組合員Aに対して,組合活動をやめなければ1か月後に解雇する旨を述べたことは,正当な理由がなく,正当な組合活動の中止を強要するものであり,支配介入に該当する。
(4)組合員Aを解雇したことについて
組合員Aの解雇は,正当な理由がなく行われたものであり,かつ,会社に強い組合嫌悪の情が認められることから,組合員Aが組合員であることを理由として行われたといわざるを得ず,不利益取扱いに該当する。
宮城に労働運動をつくる!
さらに、宮城県労委のこちらのページによると、
平成29年で取り扱った不当労働行為救済申立事件は2件だそうです。
つまり、
①労評北上京だんご本舗分会
②労評奥羽木工所分会
の2件です。
平成29年、宮城県労働委員会で扱った不当労の案件は、労評だけでした。
労働組合活動を進めていく上で労働委員会を活用するというのは当たり前のことです。
それなのに2件しかない、労評の案件しかないということは、
それだけ宮城に労働運動が存在しないということです。
それはつまり、
宮城の労働者の権利と利益はほとんど守られていないということです。
労評宮城県本部はより一層、宮城に労働運動をつくり、
労働者の権利と利益を守るため闘います!
仙台高裁勝訴に引き続き、宮城県労働委員会でも勝利命令
昨年12月22日、分会長への不当解雇について、仙台高等裁判所から、懲戒解雇無効の組合側の完全勝利の判決が下されました。
そしてこの度続けて、宮城県労働委員会で行っていた不当労働行為救済申立も、12月26日に組合側の主張がほぼ認められる命令が下されました。
組合側からは、
①分会長の不当解雇は組合活動を理由にした不利益取扱いであること
②団体交渉の合意書、議事録の作成を事前に確認しておいてやらないこと等は誠実交渉義務違反であること
③労評として行っているビラまきやネット記事などに対して、それらの中止と解雇との二者択一を迫る行為は支配介入であること
を申し立てていました。その結果、県労委から出た命令は以下の内容のとおりで、組合側勝利の命令でした。
1.会社は、労評から平成28年3月30日付で申し入れがあって団体交渉に誠実に応じ、同年3月17日に開催された団体交渉に関する議事録及び合意書の作成に向けて誠実に対応しなければならない。
2.会社は、解雇を示唆するなどの威嚇的な言動によって、労評が行うインターネット上の情報掲載等の正当な組合活動に支配介入してはならない。
3.会社は、労評の組合員である北上京だんご分会長に対する解雇がなかったものとして取り扱い、同人を現職に復帰させるとともに、同人に対して、解雇がなければ現職に復帰させるまでの間に得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。
4.会社は、本命令書写し交付の日から7日以内に、下記内容の文書を申立人に交付するとともに、同一内容の文書を日本工業規格A列3番の白紙に明瞭に認識できるような大きさに楷書で記載し、会社従業員の見やすい場所に7日間掲示しなければならない。
また、宮城県労働委員会のHPを見ると、不当労働行為救済申立事件にて命令が下されたのは、前回の平成25年から実に4年ぶりのようです。
控訴審までの経緯
北上京だんご分会は、2016年2月22日に組合を結成し、同時に団体交渉を申入れ、職場の労働基準法違反、低賃金、会議がない等の業務改善を目指して、話し合いで民主的に協議を進めようとしていました。しかし、会社側は5月初旬、組合嫌悪の感情任せに分会長を懲戒解雇にしました。
この組合を理由にした不当解雇は、労働審判、仙台地裁の2か所で争い、どちらも組合側の完全勝訴(①分会長がの労働契約上の地位の確認。②解雇期間中のバックペイ100%の支払い)という結果でした。
裁判所からは、会社役員の以下の発言が事実であると認められています。
社長「俺は、分会長は実績があるから会社に残ってほしいが、その代わり組合活動はやめなさい。そうでなければ、あと1か月で解雇する」
社長「だって何で組合辞められないの?」
社長「だから組合辞めて、あとで今日から働け」
元取締役「組合を辞めるか、会社を辞めるか、どっちかの選択だっていってるんだよ」
元取締役「組合を辞めるか、会社を辞めるか、二つに一つ。っていうこと」
組合加盟、組合活動を理由にした懲戒解雇であると明白なので、労働審判も仙台地裁も完全勝訴というわけです。
しかし、こんな状況で2回敗訴しても会社側はそれを認めず、意固地になって控訴し、今度は仙台高裁で審査が行われてきました。
会社の控訴は棄却! 分会長の懲戒解雇は無効!
とはいえ、やはり仙台高裁でも、会社側の主張は採用することができないと棄却されて、仙台地裁の判決が相当である、と判断され、やはり分会長の懲戒解雇は不当解雇であるという判断が出されました。
争点の1つとして、控訴審に入って、会社側は、「解雇通知書を交付した際に元取締役が『この解雇は組合加入とは関係ない』と分会長に説明したから、組合を理由にした解雇ではない」と主張してきました。
これに対して、仙台高裁からは「本件解雇に組合加入は関係ないとする元取締役の発言は、あくまでも表向きの発言にすぎず、真実は、会社が労評北上京だんご分会による組合活動を嫌悪し、これを会社内から排除する目的で、本件解雇を行ったものであると認められるのが相当である」と判断されました。
労評、北上京だんご分会が何を目指すか
分会長は、元々職場改善をして労働者が長く安心して働ける職場に改善するために組合を結成しました。
職場復帰したら、ようやくスタート地点に立ったということです。そこから始め、当初の予定通り、労働基準法違反、低賃金、業務改善に取り組む予定です!
会社はここまで圧倒的に敗訴しておいて、最高裁に上告する考えもあるようです。最高裁なら最高裁まで道理を通して闘って、分会長は職場復帰します。
労評で取り組んでいる「アート引越センター」の引越し事故賠償金問題が今朝の新聞に掲載されました。
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201712/2017120301001258.html
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201712/CK2017120402000105.html
組合の取り組みによって会社は制度を廃止しました。
アートにおける問題がこれにとどまりません。
労評では、今後もアート労働者のために闘います。
「アート引越センター」で知られるアートコーポレーション㈱で働いていた元正社員の労働者が、1か月間働いた給与が「-1000円」という賃金明細書を受け取りました。
支店長に理由を聞いても、明確な説明はありません。
これはおかしいだろうと思い、労評に相談、加盟後にTwitterで2017年4月給与支給明細書をアップしたところ、大きな反響を呼んでいます。
給与支給明細書では、月20日間フルタイムで働いたのに本給5万3600円、諸手当を含めても7万6070円と記載されています。一方、労働時間が230.75時間、残業時間が76.25時間なので、所定労働時間は154.5時間となり、時給に換算すると493円/時という最低賃金以下の低賃金となります。
また、社会保険料が正しく考慮されているかというところも疑問が残ります。
労評で本人に事情を聞いても、なぜこのような給与になるのか分からないと言っています。
労評組合員3人による残業代等未払請求訴訟提訴以降、アートコーポレーションでは多くのおかしな事実が明らかにされていますが、この1か月の給与が「―1000円」問題もその一つです。
労評としては、アートコーポレーションに対してはっきりと説明するように求め、改善すべきところを改善するように追及していきます。
労評は、ただお金を取ること、会社に打撃を与えることが目的ではありません。
アートコーポレーションを健全な会社に改善していくことが目的です。
労働者と経営者が対等な立場でお互いを尊重し合い、真剣な態度で節度を持って労資交渉を行い、協力して会社の発展と労働者の生活の安定・発展を目指すことが目的です。
そのためには、おかしいところはおかしいとはっきりと会社に言える労働組合、アート労働者の意見をまとめ利益を代表する労働組合が無ければまともな交渉ができません。
日本労働評議会は、アートコーポレーションで働く労働者の皆さん、全国のまじめに働く労働者の皆さんと共に、健全な労働環境を作るために闘います。
【電話】022-272-5644
【専用メール】rouhyomiyagi@yahoo.co.jp