ストライキ闘争への会社の弾圧を暴く
来る11月19日(月)午後1時30分~午後6時30分、トールエクスプレスジャパン労組(トール分会)に対する会社の不当労働行為を問う証人尋問が行われます。組合は広島分会から2名の組合役員、会社側からは本社の総務担当と広島支店支店長が証人に立ちます。19日当日は傍聴席を埋め尽くして、当該組合員と支援に駆けつけた組合員が一体となって、会社の不当労働行為を立証していきます。
昨年11月労評トール労組は東京中央分会と広島分会で一斉に部分ストライキに入りました。組合は、自分の担当エリアを終えて帰っても、居残りをさせられ、実質的に残業代がまともに支払われない残業を拒否するという部分ストライキを行いました。しかし、会社は全国の支店長を動員して、組合員のみに8時間を過ぎたら帰れと命じ、残っている仕事を動員した支店長にやらせるなど、歩合給で仕事をしている組合員の賃金をカットするための弾圧をしてきました。定時で帰ったら賃金が4万、5万多い組合員は10万近く減ってしまいます。明らかに経済弾圧(兵糧攻め)でもって組合のストライキ闘争を弾圧してきたのです。
今回のトールエクスプレスジャパンの組合弾圧は露骨なものであり、不当労働行為性は明らかです。会社側は当日どのような言い訳をしてくるのか、見ものです。
トール残業代裁判と合わせて来年は闘いの成果が表れます
組合はトールエクスプレスジャパンを相手に原告約10人で残業代請求の訴訟を行っています。去る10月15日に証人尋問が行われ、来年春には判決が下ります。歩合給でありながら、その中に残業代が含まれているという会社の主張はとても認められないでしょう。国際自動車の裁判にも近い内容を含んでいますが、労働者が残業をしながら、正しく支払われないという賃金制度は必ずなくさなければなりません。
私達は御用組合が会社と結託して、まともな経済要求闘争をしないなかで、敢然と労働者の要求を取り上げて闘っています。今後も、トールエクスプレスジャパンのためにも、運輸労働者全体の利益のためにも、裁判で良い結果を出していきたいと思います。
9月4日、クリーニング業界の問題改善に取り組んでいるNPO法人クリーニング・カスタマーズサポートの鈴木和幸理事長を招き、クリーニング業界の問題の仕組みについて講演をしていただきました。
講演について
現在のクリーニング業界には多くの消費者問題、労働問題が存在しています。しかし、それらの問題が改善されて行くよりも、問題が増えていく、改悪が広まっていくのが現状です。
現在なぜ、こんな悪循環の状態になっているのでしょうか?
それについて、日本のクリーニング業の歴史から紐解いて説明を頂きました。
クリーニングは昔、労働者というよりも“職人”(男性)の仕事として、丁稚奉公(でっちぼうこう)のような形である程度1つの場所で修行し独立していくのが主流だったそうです。
そこから、生産性の高い洗濯機の登場によって業界に大手業者が登場し、価格競争が始まりました。大手業者では職人ではなく労働者が雇用され、今のようなクリーニング労働者の大半は女性・非正規雇用という状態ができあがってきました。ですがそういった中で「クリーニング業界に労働者はいない」として扱われ、クリーニング業界の労働問題は長年スポットが当てられてきませんでした。それにより、現在の問題は増えていくが改善されないという悪循環を引き起こしてします。
そしてその価格競争の中で、「消費者問題」と「労働問題」が多発してきました。
例えば、
・住宅街での石油溶剤使用(建築基準法違反)問題
2009年、あるクリーニング工場において禁止溶剤使用の疑いがあるという記事が報道されました。建築基準法にて住宅地等での使用を禁止されている引火性の石油系溶剤を使用しクリーニングを行っていたという問題です。それは「疑い」ではなく実際に違法であると判断され、しかもさらにショックなことに、当時、同様の禁止溶剤使用はクリーニング店・恒常の半数を超える1万5000カ所でも行われていました。
最近の記事では、8年前に建築基準法違反で行政指導を受けた店・工場のうち、違法状態を解消したのは2割にとどまるという非常に残念な報道もあったそうです。
・保管クリーニング問題
これは、昨年秋に新聞などで報道された問題です。保管クリーニングとは、インターネットを使って集めた衣類を洗い、一定期間保管してから指定日に宅配するサービスです。宅配サービスが遅れることがあったようですが、この背景には、預かった衣類を長期間洗わないことが常態化していることがあったそうです。
・クレーム対応問題
クリーニング店では、お客さんと直接やり取りをする店員さんが、お客さんからのクレームの大半も受けています。
本来、お客さんから受けたクレームは「会社として受けたクレーム」ですから、パートの店員では対処できない問題は、正社員、マネージャー等の管理職、あるいは経営者が対応するというのは、どんな業界でもごく普通のことです。クリーニング業界自体、クレームが多い業界と言われていますし、店員さんは工場で洗う作業をしていなく専門知識もない(必須とされていない)わけですから、会社としてクレーム対応をしなければならないのは、なおさらです。
しかし現実は、クレーム対応を店員に丸投げにしている会社が多いそうで、NPOに寄せられる店員さんの悩みとしても、「クレームを会社が対応してくれない」などクレーム対応に関するものが多いそうです。
・労働基準法違反の問題
クリーニング業界では労務管理に関するコンプライアンスはかなり低く、残業代未払い、雇用契約書がない、有給が取れない等の労働基準法違反の問題は多発しています。
働き方改革により来年から有給休暇の義務化も始まりますが、クリーニング業界はそもそもこれまで従業員の多数を占めるパート従業員へ有給を付与すらしていない業者が多数あるそうです。来年以降、業界で大問題になる可能性が高いです。
こうした問題は低価格競争の下でなんとか稼ぎを得ようとして引き起こされた問題です。これらはクリーニング業界全体で共通した問題ではありますが、いずれの問題点にせよ、しわ寄せを受けて、洗濯を急ぐため労働時間が増えたり、品質が低下する、お客さんからのクレームが増えるなど、負担を負うのは労働者です。
こういったクリーニング業界の問題改善について、消費者の保護、クリーニング業運営の健全化、クリーニング労働者の保護を目指し、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポートでは取り組まれています。NPOとしていかに問題改善に取り組んでいるか、また、今後、どのような取り組みが重要かなども講演いただきました。
参加者からの声
講演会の参加者からは
「洗っていないクリーニングや、建築基準法違反が今でも全然改善されていないなんて衝撃だ」
「私もお客さんからのクレームを自分で何とかしろ、と言われて悩んでいる。会社がクレームを丸投げするのはおかしい」
「クリーニングで働いている人がなんでこんな苦しまなくてはいけないのか、よく分かった」
「現場のパートにしわ寄せがきているのはおかしい」
などの感想が寄せられました。
クリーニング業界で働く従業員であれば、一度は、シフトの休みが取れない、休憩が取れない、クレーム処理をさせられたなどに直面したことがあり、業界で共通した問題で悩んでいるんだと共通認識が作られました。
労評としても、クリーニング業界で働く労働者の処遇改善のためには、労働組合が必要であると改めて実感する機会となりました。
有給取得をはじめ労働基準法等の労働者を守る法律を会社にきちんと守らせることも、クレーム問題を店員に丸投げにさせないことも、そしてそういった具体的問題を1つ1つ改善してお客様のためにクリーニング労働者として誇りを持って働くためことも、労働組合でしか実現できません。
労評では、労評クリーニング労組を主軸にして、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポートとの連携も強化しながら、こういった講演会や労働相談などを継続的に開催する中でクリーニング労働者と団結し、クリーニング業界全体の改革に取り組みます!
2017年末の宮城県労委にて会社側の不当労働行為が認められた救済命令に対して、会社が異議申し立てを行い始まった中央労働委員会での争いは、9月11日の中央労働委員会の期日において、和解締結となりました。
和解内容は以下のとおりです。
和解内容
1.会社(株式会社北上京だんご本舗)は、労働関係諸法令を遵守する。
2.会社及び組合(日本労働評議会)は、相互の立場を尊重し、労使対等の原則のもと、信頼と理解を深めた良好な労使関係の構築に努める。
3.会社は、宮城県労働委員会が以下のとおり本件(中労委平成30年(不再)第1号)初審命令を発したこと及び新たに不当労働行為救済申立てが行われた事実を重く受け取め、今般の労使紛争に至ったことについて遺憾の意を表する。
(1)日本労働評議会北上京だんご本舗分会のA分会長を解雇したことが、労働法第7条第1号に該当すること。
(2)団体交渉に応じなかったこと、議事録及び合意書作成に向けて対応しなかったことが、労組法第7条第2号に該当すること。
(3)組合に対し解雇を示唆する等の言動及びビラ配布の中止を求める発言を行ったことが、労組法第7条第3号に該当すること。
4.会社は、A分会長に対し、本社工場営業部室において、他の営業業務社員と差別することなく従前を踏まえた営業業務を行わせることとし、例えば、催事等の販売業務のみに継続して従事させること等がないようにする。また、社内ネットワーク内の情報の取り扱いや、工場、事務所への立ち入り等について、他の営業業務社員と同様とし、差を設けない。なお、本項の運用について疑義が生じた場合には、会社と組合は当該疑義の解消に向けて交渉を行うこととし、また、必要に応じて、宮城県労働委員会のあっせん制度等を利用することとする。
5.会社は、A分会長に対し、組合員であること、正当な組合活動をしたこと等を理由として、同人の身分や待遇、業務内容又は労働環境等について不利益な取扱いは行わない。
6.会社は、組合及びA分会長に対し、正当な組合活動を非難ないし妨害したり、組合の存在そのものを否定するような発言を行わない。
7.会社は、組合から、組合員の待遇又は労使関係上のルール等に関わる事項等について団体交渉の申入れがあったときには、速やかに応じる。なお、団体交渉の開催日時、時間、議題、場所等については、事前に双方で協議の上決定する。
会社及び組合は、団体交渉とは上記事項について合意を形成することを主たる目的として交渉を行うものであるということを十分理解の上、、自らの主張や見解のみに固執することなく、相互に理解と納得を得られるよう努めるなど、合意に向けて誠実に団体交渉を行うこととする。
8.会社は、A分会長に対し、平成28年(ワ)第1517号地位確認等請求事件判決の主文第2項及び第3項で命じられた金員のうち未払いとなっているもの(別紙のとおり)について、平成30年12月末日限り、A分会長の指定する口座に振り込む方法で支払う。(なお、A分会長が負担すべき租税及び社会保険料等個人負担分は、会社において控除した上で振り込むこととする。)
9.会社は、組合に対し、解決金として金60万円について、分割し、組合の指定する口座に振り込む方法で支払う。
なお、各支払について、特段の事情なく1週間以上の滞納が生じた場合は、会社は、分割支払の利益を喪失し、直ちに残額を支払うこととする。
10.会社及び組合は、本和解について公表することができる。ただし、本和解について勝敗の解釈はつけない。
11.組合は、宮城県労働委員会に平成30年6月28日付けで行った不当労働行為救済申立てについて、本和解成立後速やかに取り下げるものとする。
12.会社と組合及びA分会長は、本件に関し、本和解条項に定めるほか、何ら債権債務が存在しないことを確認する。
平成30年9月11日
中央労働委員会
審査委員 松下淳一
参与委員 高橋洋子
参与委員 宮近清文
株式会社北上京だんご本舗
代表取締役 大久保純孝
日本労働評議会
中央執行委員会委員長 長谷川清輝
利害関係人 A分会長
(東海地方本部の記事転載)
労評東海地方本部では、下記のとおり、11月24日、弁護士による無料相談会を行います。
東海地方にお住まいの方、是非ご連絡ください!
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解雇をどうしても撤回させたい、残業代を支払ってもらいたい、まともに働けるように就業規則を変えてもらいたい、パワハラを辞めさせてほしい、など、職場における問題を抱えて悩んでいる方。また、労基署に言っても改善されず、労働組合や弁護士に相談しても話を聞いてもらえないという方。弁護士による労働相談会を行います。
担当する弁護士は、国際自動車訴訟の担当弁護士で、タクシー、トラック業界に詳しい弁護士です。労働組合づくりの支援もしています。労働組合を結成したい、労働組合を強くしたいという相談にものります。ぜひこの機会にご相談ください。
今回は、東海地域(愛知、静岡、三重、岐阜)にお住いの方限定です。相談される場合は、下記の連絡先に、氏名、連絡先、相談内容の主旨をお知らせください。相談時間は1人(または1組)30分以内です。弁護士と面談しての相談を希望される方は、事前に時間の予約をしてください。なお、面談でのご相談は先着2組に限らせていただきます。
【弁護士紹介】
指宿昭一弁護士(いぶすき しょういち)
暁法律事務所(東京新宿区高田馬場)
<役職>
日本労働弁護団全国常任幹事・東京支部事務局長
外国人研修生問題弁護士連絡会共同代表
外国人労働者弁護団代表
【日時】
11月24日(土)、13:00~15:30
【連絡先】
電話:052-799-5930