[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
福祉施設で働くパートから雇止めについて労働相談
宮城県内の福祉施設に勤務するパートの女性職員から、雇止めに関して労働相談を受け付けました。
契約期間満了に伴う雇止めではありましたが、以前の契約更新時に一方的に説明もなく様々な変更がなされたこと、また、その契約更新のための面接ではパワハラまがいの発言もあったこと等の問題がありました。
相談者はこれまで仕事にプライドを持って働いてきました。一方的で、問題のある施設側の姿勢に対し、何も抗議せずになされるがまま雇止めにされるのは我慢ならないことです。労評としても同様に、相談者とともに労働者・労働組合として筋を通したいと感じました。そこで、相談者には労評に加盟してもらい施設側と団体交渉を行いました。
団体交渉では、はじめ、施設長は不誠実な交渉態度を取りました。
労評役員「なぜ雇止めなのか?」
施設長「総合的に判断した」
労評役員「『総合的』の中身は?」
施設長「様々な要素がある」
労評役員「どんな要素があるのか?」
施設長「様々あるから回答できない」
労評役員「回答できない理由は何か?」
施設長「様々あるから言えない」
労評役員「『様々な理由』があるから、『様々な理由』の中身は答えられない。そういう回答なのか?」
施設長「そうだ」
こういった調子でスタートした団体交渉でした。
これが仮に一従業員として交渉した場合、会社にこのような態度を取られたら、黙って従うしかないなと泣き寝入りしてしまう場合が大半ではないかと思います。しかし、労働組合は憲法、法律で権利が保障されていますから、きちんと話し合いを進めることができます。会社側は労働組合との団体交渉においては不誠実な態度をとってはいけません。このような態度を終始とった場合、誠実交渉義務違反の不当労働行為となり、労働組合法違反となる可能性があります。
この団体交渉でも、このやり取りの後に組合側からしっかり抗議して、施設側にはきちんと回答、説明をするよう是正させて交渉を継続しました。
結果、今回の団体交渉で再雇用を勝ち取ることができませんでしたが、パワハラ発言に対する施設長からの謝罪などの成果はあり、相談者本人としては、筋を通せたことで納得して雇止めを受け入れました。従業員1人では、雇止めを受け入れ泣き寝入りして転職するしかできませんでしたが、相談者は筋を通し、一部成果を得て、心機一転、清々しく次の職場に向かおうという気持ちになることができました。